神様修行はじめます! 其の三

「急げ。それと各一族への支援部隊の第ニ陣も、予定通りすぐ派遣しろ」


「と、当主様っ!?」


「怪我人の治療が済んだら、お前達は全員防御に回れ。これからうようよ敵が湧いてくるぞ」


そう言い終えると門川君は前に向かって進み出した。


こちらを不気味な目でじぃっと凝視しているトカゲに向かって。


さっきの氷柱のダメージは微塵も感じない。マグマの熱で簡単に溶けてしまったんだろう。


身動きせず、襲い掛かってくるでも無い。泰然として堂々と構えているその姿。


まがりなりにも、彼の氷系の攻撃を食らって平気でいられるなんて、こりゃあ・・・・・・


かなりの大物だね、こいつ。


それを見た刺客達はますます慌てふためく。


「お待ち下さい当主様! ここは我らにおまかせを!」


「お前達におまかせしてはおられぬから、永久が行くんじゃろうが」


絹糸のそんな飄々とした言葉に刺客達は噛み付いた。


「当主様をこのような危険な目になど遭わせられん!」


「危険な目になど、もう子どもの頃から嫌というほど遭っとるわい。永久は」


刺客達はグッと言葉に詰まる。


「お前達が行っても死ぬだけじゃが、永久ならば勝てる。判断を間違うでない」


「し、しかし、我らは・・・!」


「もう一度言うぞ。判断を間違えるでない」


「・・・・・・」


「我と小娘が、果たすべき役目を果たす。お前達はお前達の役目を果たせ」


それだけ言って、絹糸は門川君の後を追う。

そして・・・・・・


当然あたしも役目を果たすべく、後を追った。


刺客達の辛そうな視線を背中に感じながら。


彼等の悔しい気持ちが、手に取るように良く分かる。彼等だって本気で門川君を守りたいんだ。


でも今、門川は圧倒的に人手不足だ。