意識がハッキリしたせいで痛みを強烈に自覚してしまった。
ジタバタ夢中で柱から抜け出そうとしたけど、あまりの痛さに思わず体の動きが止まる。
痛っ! やっぱり、怪我・・・!
「うぐぅぅっ!」
歯をギュッと食いしばった。震えながら痛みに堪える。
早く・・・早く逃げなきゃ!
こんなとこでマゴマゴしてたら溶かされる!
気体になって骨すら残らない、そんな悲惨な最期はゴメンだわ!
でも痛みで体が動かないし、柱はガッチリあたしを挟み込んでいる。
えぇい! 放してよ! 柱に懐かれる覚えはない!
皮膚が焼けるような暑さのせいと、切羽詰った恐怖のせいで汗がドオッと噴き出した。
ドロリと舌から垂れたマグマが、細く細くゆっくりと下へ向かって伸びる。
柱の間から逃げ出せずに呻き続けている、あたしへ向かって。
暑さの汗よりも焦りと恐怖の汗が勝った。
垂れ落ちてくる燃え滾るマグマを見上げながら、頭の中はもう真っ白だ。
来る・・・・・・こっちに落ちてくる!
ああぁぁぁ――――!!
― キィン・・・! ―
あたしの横を鋭い冷気の風がすり抜け、全身の汗を冷やした。
細いマグマの筋が、みるみる透明な分厚い氷に包まれる。
ジュワッと白い湯気が上がり、薄黄色に光り輝くマグマが黒々と変色して固まった。
爬虫類特有の無表情な両目の下目蓋が、まばたきをした。
そしてあたしからゆっくり視線を動かしていく。
動いた視線の、その先には・・・・・
爬虫類も泣いて謝りそうなほどに、完璧な無表情を誇る門川君が佇んでいた。
ジタバタ夢中で柱から抜け出そうとしたけど、あまりの痛さに思わず体の動きが止まる。
痛っ! やっぱり、怪我・・・!
「うぐぅぅっ!」
歯をギュッと食いしばった。震えながら痛みに堪える。
早く・・・早く逃げなきゃ!
こんなとこでマゴマゴしてたら溶かされる!
気体になって骨すら残らない、そんな悲惨な最期はゴメンだわ!
でも痛みで体が動かないし、柱はガッチリあたしを挟み込んでいる。
えぇい! 放してよ! 柱に懐かれる覚えはない!
皮膚が焼けるような暑さのせいと、切羽詰った恐怖のせいで汗がドオッと噴き出した。
ドロリと舌から垂れたマグマが、細く細くゆっくりと下へ向かって伸びる。
柱の間から逃げ出せずに呻き続けている、あたしへ向かって。
暑さの汗よりも焦りと恐怖の汗が勝った。
垂れ落ちてくる燃え滾るマグマを見上げながら、頭の中はもう真っ白だ。
来る・・・・・・こっちに落ちてくる!
ああぁぁぁ――――!!
― キィン・・・! ―
あたしの横を鋭い冷気の風がすり抜け、全身の汗を冷やした。
細いマグマの筋が、みるみる透明な分厚い氷に包まれる。
ジュワッと白い湯気が上がり、薄黄色に光り輝くマグマが黒々と変色して固まった。
爬虫類特有の無表情な両目の下目蓋が、まばたきをした。
そしてあたしからゆっくり視線を動かしていく。
動いた視線の、その先には・・・・・
爬虫類も泣いて謝りそうなほどに、完璧な無表情を誇る門川君が佇んでいた。


