報告を聞いた門川君が最前列に座っている相手に質問する。
「それぞれの一族への派遣はどうなっている?」
「すでに第一陣を派遣済みです。ただ遠方の一族に到着するには時間が・・・」
「転移の宝珠を使え」
「え!? あ、いやしかし・・・」
「使い切ろうが構わない。出し惜しみをしている状況ではない」
うろたえる相手に門川君はキッパリ言い切った。
「宝珠だろうが家宝だろうが、役に立つなら何でも使え。蔵を守って大事な命を失うような真似はするな」
一同はシンとして門川君に注目した。
門川君は背筋をスッと伸ばし、冷静な切れ長の目で皆を見渡す。
良く通る落ち着いた声で力強く言い放つ。
「各地からの要請があればできる限り叶えろ。皆を守れるなら宝物全て消費する事を僕が許可する」
「・・・・・」
「多数の優秀な人材、豊富な物資。烏合の衆の敵に比べ、こちらには勝利への条件が揃っている」
全員が門川君を食い入るように見つめている。
美貌の、まだ歳若い、でも数々の修羅場を潜り抜けてきた英雄を。
「門川に永久あり」とうたわれた、類まれな能力の持ち主である自分達の当主を。
「勝てる。勝つのだ。僕が必ずや勝利に導く。だから・・・」
門川君の全身に冷気が満ちる。
引き締まった、澄みわたる清涼な冬の早朝のような冷気。
穢れの無い透明な意志の力が、全員の心の奥底に染み渡っていく。
「共に乗り越えるぞ。僕を、自分自身を、そして門川の未来を・・・信じて皆、ついて来い!」
「はは――っ!!」
一同は平伏した。
自分達の当主へ向かって。
門川の頂点に君臨する者に、自分の身を預けると決意した証として。
「それぞれの一族への派遣はどうなっている?」
「すでに第一陣を派遣済みです。ただ遠方の一族に到着するには時間が・・・」
「転移の宝珠を使え」
「え!? あ、いやしかし・・・」
「使い切ろうが構わない。出し惜しみをしている状況ではない」
うろたえる相手に門川君はキッパリ言い切った。
「宝珠だろうが家宝だろうが、役に立つなら何でも使え。蔵を守って大事な命を失うような真似はするな」
一同はシンとして門川君に注目した。
門川君は背筋をスッと伸ばし、冷静な切れ長の目で皆を見渡す。
良く通る落ち着いた声で力強く言い放つ。
「各地からの要請があればできる限り叶えろ。皆を守れるなら宝物全て消費する事を僕が許可する」
「・・・・・」
「多数の優秀な人材、豊富な物資。烏合の衆の敵に比べ、こちらには勝利への条件が揃っている」
全員が門川君を食い入るように見つめている。
美貌の、まだ歳若い、でも数々の修羅場を潜り抜けてきた英雄を。
「門川に永久あり」とうたわれた、類まれな能力の持ち主である自分達の当主を。
「勝てる。勝つのだ。僕が必ずや勝利に導く。だから・・・」
門川君の全身に冷気が満ちる。
引き締まった、澄みわたる清涼な冬の早朝のような冷気。
穢れの無い透明な意志の力が、全員の心の奥底に染み渡っていく。
「共に乗り越えるぞ。僕を、自分自身を、そして門川の未来を・・・信じて皆、ついて来い!」
「はは――っ!!」
一同は平伏した。
自分達の当主へ向かって。
門川の頂点に君臨する者に、自分の身を預けると決意した証として。


