彼の涼しい顔をこっそり見上げた。
いつも通りの、本当に何事もなさげな冷静沈着な顔。
一見、冷たくさえ見えるその表情の下はとても温かい。
氷の壁の向こうの、お花・・・。
変わらない。
彼の心の奥の隠れた優しさは全然変わっていない。
「お前たち、無礼じゃぞ。当主が何でもないと言っておるのじゃから大概にせい」
絹糸が助け舟を出した。
術師たちは顔を見合わせ、恐縮したように言い訳をする。
「も、申し訳ございません。しかしながら・・・」
「我々とて当主様がどちらにおられたのかを、上の方に報告せねばならず・・・」
「ああ、厠じゃ。厠におったんじゃよ」
かわや??
・・・あぁ、トイレの事ね?
すると術者のひとりが、真面目な顔で返答した。
「厠でしたら、わたくしがちゃんと中まで確認いたしましたが?」
・・・・・・はあぁ!?
まさかあんた、開けたのっ!?
門川君が入ってるかもしれないトイレの扉、ガバッとぉ!?
いやちょっと、さすがにそれは人権無視じゃない!?
当主って戦闘中は、例の真っ最中の時も監視されなきゃなんないの!?
・・・・・出ないわよそれじゃ!
出ないと言うか、出せないと言うか!
「あ、い、いえ、お声をお掛けしましたが返答が無かったので、扉を・・・」
思わず凝視してしまったあたしの表情に、決まり悪そうに術者が言い訳した。
「返事なら、したよ」
門川君が前を向いて歩きながら、後ろの術者にそう言う。
「・・・は?」
「返事はした」
「いや、お返事は・・・というか、おられなかった・・・・」
「したよ」
歩みを止めず、冷静な視線がチラリと後ろに流れる。
「僕は返事もしたし、いたんだよ。・・・分かったな?」
いつも通りの、本当に何事もなさげな冷静沈着な顔。
一見、冷たくさえ見えるその表情の下はとても温かい。
氷の壁の向こうの、お花・・・。
変わらない。
彼の心の奥の隠れた優しさは全然変わっていない。
「お前たち、無礼じゃぞ。当主が何でもないと言っておるのじゃから大概にせい」
絹糸が助け舟を出した。
術師たちは顔を見合わせ、恐縮したように言い訳をする。
「も、申し訳ございません。しかしながら・・・」
「我々とて当主様がどちらにおられたのかを、上の方に報告せねばならず・・・」
「ああ、厠じゃ。厠におったんじゃよ」
かわや??
・・・あぁ、トイレの事ね?
すると術者のひとりが、真面目な顔で返答した。
「厠でしたら、わたくしがちゃんと中まで確認いたしましたが?」
・・・・・・はあぁ!?
まさかあんた、開けたのっ!?
門川君が入ってるかもしれないトイレの扉、ガバッとぉ!?
いやちょっと、さすがにそれは人権無視じゃない!?
当主って戦闘中は、例の真っ最中の時も監視されなきゃなんないの!?
・・・・・出ないわよそれじゃ!
出ないと言うか、出せないと言うか!
「あ、い、いえ、お声をお掛けしましたが返答が無かったので、扉を・・・」
思わず凝視してしまったあたしの表情に、決まり悪そうに術者が言い訳した。
「返事なら、したよ」
門川君が前を向いて歩きながら、後ろの術者にそう言う。
「・・・は?」
「返事はした」
「いや、お返事は・・・というか、おられなかった・・・・」
「したよ」
歩みを止めず、冷静な視線がチラリと後ろに流れる。
「僕は返事もしたし、いたんだよ。・・・分かったな?」


