「まさかとは思うけど、里のみんなに吊るし上げられたり、とか・・・」
「あの里の連中が、そんな粘っこい真似をするわけがあるまい」
「そうだとは思うけど・・・」
「それに、凍雨君の事ならすでにセバスチャンが気付いていたよ」
「え!?」
気付いてた!? どーして!? なんで!?
「いつ気が付いたの!?」
「彼が転移の宝珠を使って現れた時点で、雲行きが怪しいとは思っていた」
えぇ!? そうなのおぉぉ!?
「宝物庫は恐ろしいほど厳重に警備されておる。ドサクサ紛れじゃろうと、我でも忍び込めぬわ」
「ずっと僻地にいた彼には、宝物庫に入る手立ても宝珠を発動する知識も無いはずなんだ」
「と、いうことは・・・」
「小僧を手引きした者がいる、という事じゃ」
・・・・・。
あたしは口をポカンとあけて聞いていた。
じゃ・・・じゃあ、さ・・・
「知ってたのならなんで黙ってたのおぉ!?」
「確信も証拠も無いんだ。問い詰めたところで彼は否定しただろうし、何も語らなかったろう」
「そんな時間は無かったからのぉ。とにかく権田原を優先せねばならぬ」
「非常時だったからな。彼にも深い事情がありそうだった」
「あ、うん。一族の人達を人質にとられて、泣く泣く言いなりに・・・」
「やはりそうか。そうだろうと思ったよ」
「長老達にずらりと揃って脅されては、新米の当主など太刀打ちできぬわ。やれやれ・・・・」
絹糸は首を振り、溜め息をついた。
門川君は沈んだ表情になる。
たぶん、凍雨君はあたし達と親しげにしてたから目を付けられたんだ。
それに氷血の当主となれば、これから門川君が特別に目にかけるだろうし。
凍雨君の力が上層部で大きくなるのは、あの連中には不都合。
彼自身の存在も目障りだったんだろう。
今のうちに弱みを握って潰しておくつもりだったに違いない。
「あの里の連中が、そんな粘っこい真似をするわけがあるまい」
「そうだとは思うけど・・・」
「それに、凍雨君の事ならすでにセバスチャンが気付いていたよ」
「え!?」
気付いてた!? どーして!? なんで!?
「いつ気が付いたの!?」
「彼が転移の宝珠を使って現れた時点で、雲行きが怪しいとは思っていた」
えぇ!? そうなのおぉぉ!?
「宝物庫は恐ろしいほど厳重に警備されておる。ドサクサ紛れじゃろうと、我でも忍び込めぬわ」
「ずっと僻地にいた彼には、宝物庫に入る手立ても宝珠を発動する知識も無いはずなんだ」
「と、いうことは・・・」
「小僧を手引きした者がいる、という事じゃ」
・・・・・。
あたしは口をポカンとあけて聞いていた。
じゃ・・・じゃあ、さ・・・
「知ってたのならなんで黙ってたのおぉ!?」
「確信も証拠も無いんだ。問い詰めたところで彼は否定しただろうし、何も語らなかったろう」
「そんな時間は無かったからのぉ。とにかく権田原を優先せねばならぬ」
「非常時だったからな。彼にも深い事情がありそうだった」
「あ、うん。一族の人達を人質にとられて、泣く泣く言いなりに・・・」
「やはりそうか。そうだろうと思ったよ」
「長老達にずらりと揃って脅されては、新米の当主など太刀打ちできぬわ。やれやれ・・・・」
絹糸は首を振り、溜め息をついた。
門川君は沈んだ表情になる。
たぶん、凍雨君はあたし達と親しげにしてたから目を付けられたんだ。
それに氷血の当主となれば、これから門川君が特別に目にかけるだろうし。
凍雨君の力が上層部で大きくなるのは、あの連中には不都合。
彼自身の存在も目障りだったんだろう。
今のうちに弱みを握って潰しておくつもりだったに違いない。


