神様修行はじめます! 其の三

―― ゴッチ――――ンッ!! ――

突然オデコに走った衝撃と共に、目から火花が盛大に散った。


痛って―――――!!


火花の散る視界に、あるものが見える。


あたしの目の前で、鼻の頭を手の平で押さえながら、勢い良く後ろに引っくり返る・・・


門川君っ!!?


ドタンッと音がして門川君が床の上に仰向けに倒れた。


え!? え!? えぇぇ!?


わけも分からず周囲をキョロキョロ見回した。


この場所は・・・元居た場所だ。総白木張りの道場。


ペタンと床の上に座り込み、上体を起こしてキョトン、とする。


術式の輝く円陣は消え去り、侍女達が床の上に倒れているのが見える。


全員、気を失っているみたい。


あたし・・・帰ってきた・・・の?


いや、そもそもどこへも行ってはいなかったのかもしれない。


精神だけがあの白い世界に飛んでいたんだ。


そして精神が無事にここへ戻ってこれた。


門川君の呼びかけのお陰で・・・


・・・・・

そうだ! 門川君っ!!?


あたしは倒れている門川君の体の上にガバッと覆い被さり、両手で激しく揺すった。


鼻を押さえてる彼の指の間から、赤い血がつうぅっと流れている。


しっかりして門川君! 大丈夫!?


「ひどいわ! 許せない! いったい誰にやられたの!?」

「・・・君にだよ・・・」


・・・・・


はい?


「君、ずいぶん石頭だな。あれだけ勢い良くぶつかって、まったく平気な顔をしているなんて・・・」


・・・・・・・。