神様修行はじめます! 其の三

彼と共に行く道が茨の道である事は分かっていた。


苦難続きの道だろうと知っていた。


知っていたのに・・・


現実に足に突き刺さる茨のトゲの痛みは想像以上で。


あたしの心を苦しめた。


あたし自身へ向けれる刃ならばいくらでも耐えられるけれど。


でも、それが一緒に生きていくという事なんだろう。


一人で生きていくのなら感じなくても済む苦しみを、受け止める事こそが・・・


『共に生きる』という事なんだ。


その覚悟がない者に、他者と共に生きる資格は、無い。


生きると誓う資格は無い。


彼にはその覚悟ができていた。


だからあたしが苦しむ事を知りつつも、それでも『耐えろ』と言い切る事ができるんだ。


あぁ、あたし・・・あたしは・・・


『天内君、何度でも繰り返そう。僕は君を・・・』


「・・・・・」


『生涯、君を離さない』



あぁ・・・・・!!



崩れ泣きながら、あたしは思い知る。


千年の檻の中に飛び込もうとしていたあたし。でも。


あたしはすでに、囚われていた。


自分の意思で、望んで、永劫の檻の中にすでに入っていたんだ。


門川 永久という名の檻に。


・・・抜け出しは、しない。


この檻から決して抜け出しなどするもんか。決して。


できない。そんな事。


あたしの心は永遠に彼のものであり、彼と共に生きる。


あたしは生涯、門川君を離さない。


「門川君・・・・」

『天内君』

「あたしはあなたを、守るから」