神様修行はじめます! 其の三

方法。

それは、あたしが雛型になる事。


この女の言葉のどこにも破綻は無い。


全てが言われて見ればその通り、と頷くような理屈ばかり。


そう。あたしは彼の命を、地位を、将来を守る事ができる。


あたしは、この世界から逃げ出すわけじゃない。


守るといった誓いを果たすだけ。


そうだ。雛型になればあたしはこの世界にずっと留まれる。


彼をこの手で永遠に守り続けられるんだ。


彼のそばで。


ずっと一緒にいると誓った約束も、違える事はないんだ。


ほら、やっぱりあの女の言う通りじゃないか。


その通りだ。あの女の言葉は全部、理にかなっている。


あたしの彼への想いが幻だと言う以外は全部。


「あたしの門川君への想いは、幻覚なんかじゃない・・・」


「そうであろう」


「それだけは・・・それだけは違う・・・」


「そうであろうとも。であれば、それを正せば良い」


・・・正す?


声が、糸が。

指に、腕に、足に、胸に、首元に。


「お前の想いが確かなものであると証明さえすれば、それで全てが完璧に定まるであろう」


「証明さえ、すれば・・・」


「その方法を自ら望むが良い」