神様修行はじめます! 其の三

あたしは氷血一族を守るために、こいつ等について行くから!


だから凍雨君はあたしの大事なしま子を守って!


「お願い凍雨君!」

「わかり・・・ました・・・」


悔しそうにギリギリと雪に爪を立て、彼は頷いた。


「では天内の娘、ここへ来て隣に立て」

「・・・・・」


あたしは唇をキュッと結んで、雪を踏みしめ歩き出した。


雪を踏む音が心細い。不安で、心細くてたまらない。体から気力が抜けていく。


この先は本当に独り。


誰もいない。あたしは独りになってしまうんだ。


正直、怖い。すごく怖いよみんな! 門川君!


心の中で彼に救いを求めて叫ぶ。


会いたい。門川君助けて。あたしこれからどうなるの?


助けて! 助けて! 助け・・・


ハッとした。

そして両手をギュッと握り締める。


しっかりしろ!


あたしは彼の護衛役でしょ!? その彼に救いを求めてどうする!


自分のことは自分で何とかする!


絹糸も言ってたじゃないの。あたしはもう一人前の神の末裔なんだって!


萎えた気力を振り絞り、転移の宝珠の図式の上に男と並んで立った。


凍雨君が立ち上がり、今にも泣きそうな顔であたしを見つめている。


大丈夫だよ、心配しないで。


これでもあたし、何度も修羅場を潜り抜けてきたんだから。


安心させるために笑顔で手を振ろうとした瞬間・・・


風景が、一変した。

本当に一瞬。瞬きする間もないほどの一瞬。


あたしは見た事もない室内の中で、右手を顔の横に挙げながらキョトンと硬直していた。