姿かたちは、人間の赤ん坊に酷似していた。
大きな頭に、細く華奢な手足、そして小さい胴体。
でも違う。
こいつら、明らかに人間じゃない。
皮膚が、樹皮だった。
冬の木の肌のような、パリパリに乾いて硬くなった皮。
手の指は、魔女の指のように長くゴツゴツと曲がった鋭い枯れ枝だ。
枝の指でウロの縁を握り、ウロの中からズルズル這いずり出てくる。
皮膚は完全に乾燥しきった樹皮なのに、体全体はジットリと濡れている。
まるで何かの体液に包まれているような・・・
それはまさに、不気味な化け物の出産シーンを見ているようで・・・
気持ち、悪い。
あたしは吐き気を覚え、口に手を当てた。
― ドサリ! ―
木の赤ん坊が雪の上に落ちた。
足はは太く長い、まるで根っこのようだ。
うねうねとヘビのように蠢いている。
化け物が身を起こし、ゆっくりと顔を上げた。
その顔は、まるで胎児のようで・・・
あたしはヒッと声を漏らして後ずさる。気味悪い。気味悪い!
木の赤ん坊の化け物が、今までの緩慢な動作からは考えられないスピードで腕を振り上げた。
――ビャッ!
空を切る音。枯れ枝が一本こちらに向かって一直線に飛んでくる。
さっきの枯れ枝だ!
あまりの速さに、印を組む時間も気を集中するヒマも無い。
しま子があたしの前に素早く立ちはだかり、難なく片手で枝を払いのける。
そ、そうだよ。 掴んじゃダメなら払えばいいんだ!
どっかにテニスラケット落ちてないかな!?
あたしこの前のテニスの授業で、先生が打ってくる球ひとつ残らずぜーんぶ場外ホームランにしたのよ!
おかげで実技の点数は散々だったけど!
この枝、片っ端から打ち返してやる! あたしの腕力で!
大きな頭に、細く華奢な手足、そして小さい胴体。
でも違う。
こいつら、明らかに人間じゃない。
皮膚が、樹皮だった。
冬の木の肌のような、パリパリに乾いて硬くなった皮。
手の指は、魔女の指のように長くゴツゴツと曲がった鋭い枯れ枝だ。
枝の指でウロの縁を握り、ウロの中からズルズル這いずり出てくる。
皮膚は完全に乾燥しきった樹皮なのに、体全体はジットリと濡れている。
まるで何かの体液に包まれているような・・・
それはまさに、不気味な化け物の出産シーンを見ているようで・・・
気持ち、悪い。
あたしは吐き気を覚え、口に手を当てた。
― ドサリ! ―
木の赤ん坊が雪の上に落ちた。
足はは太く長い、まるで根っこのようだ。
うねうねとヘビのように蠢いている。
化け物が身を起こし、ゆっくりと顔を上げた。
その顔は、まるで胎児のようで・・・
あたしはヒッと声を漏らして後ずさる。気味悪い。気味悪い!
木の赤ん坊の化け物が、今までの緩慢な動作からは考えられないスピードで腕を振り上げた。
――ビャッ!
空を切る音。枯れ枝が一本こちらに向かって一直線に飛んでくる。
さっきの枯れ枝だ!
あまりの速さに、印を組む時間も気を集中するヒマも無い。
しま子があたしの前に素早く立ちはだかり、難なく片手で枝を払いのける。
そ、そうだよ。 掴んじゃダメなら払えばいいんだ!
どっかにテニスラケット落ちてないかな!?
あたしこの前のテニスの授業で、先生が打ってくる球ひとつ残らずぜーんぶ場外ホームランにしたのよ!
おかげで実技の点数は散々だったけど!
この枝、片っ端から打ち返してやる! あたしの腕力で!


