― パシッ! ―
あたしの目に突き刺さる寸前、しま子の手が枯れ枝を咄嗟に掴んだ。
ぎ・・・ぎりぎりセーフ・・・。先端が睫毛に当たってる。
危うく失明するところだった。
し、しま子、ありがとう! 凄い動体視力!
― ズバッ! ―
・・・・・!?
あたしの目の前で赤い液体が飛んだ。
枝を掴んだしま子の握り拳が血に染まっている。
しま子の拳全体を細い細い針のような枯れ枝が、何十本も突き破っている。
さっき掴んだ枝が爆発・・・いや、増殖した!?
しま子! 手、大丈夫!?
しま子は手から枯れ枝を抜き取り、ポンと投げ捨てる。
真っ白な雪の上の、しま子の血に染まった一本の枯れ枝。
ジャギジャギとハリネズミみたいに、全体が長い鋭い棘で覆われている。
まるで華道に使う剣山のようだ。
こんな物騒なもん、いったいどっから飛んできたのよ!
ざわざわざわ・・・
さっきの音だ。山全体の木の葉がざわめき出す不穏な音。
いや、違う。木の葉が揺れているというよりも・・・
木全体が、この周囲の木全体が身悶えして苦しんでいる!?
ずるり・・・
すぐ近くの木のウロの中が・・・蠢いた。
あたしは眉をひそめて見る。あれ、なに?
ウロの中から何かが出てこようとしている。
ぬるりとした、何かが・・・・・
ずるうぅぅ!
その「何か」の半身がウロから現れた。
あたしはギョッとして硬直する。
その、あまりにも気味の悪い光景に。
あれ・・・・・赤ん坊?
あたしの目に突き刺さる寸前、しま子の手が枯れ枝を咄嗟に掴んだ。
ぎ・・・ぎりぎりセーフ・・・。先端が睫毛に当たってる。
危うく失明するところだった。
し、しま子、ありがとう! 凄い動体視力!
― ズバッ! ―
・・・・・!?
あたしの目の前で赤い液体が飛んだ。
枝を掴んだしま子の握り拳が血に染まっている。
しま子の拳全体を細い細い針のような枯れ枝が、何十本も突き破っている。
さっき掴んだ枝が爆発・・・いや、増殖した!?
しま子! 手、大丈夫!?
しま子は手から枯れ枝を抜き取り、ポンと投げ捨てる。
真っ白な雪の上の、しま子の血に染まった一本の枯れ枝。
ジャギジャギとハリネズミみたいに、全体が長い鋭い棘で覆われている。
まるで華道に使う剣山のようだ。
こんな物騒なもん、いったいどっから飛んできたのよ!
ざわざわざわ・・・
さっきの音だ。山全体の木の葉がざわめき出す不穏な音。
いや、違う。木の葉が揺れているというよりも・・・
木全体が、この周囲の木全体が身悶えして苦しんでいる!?
ずるり・・・
すぐ近くの木のウロの中が・・・蠢いた。
あたしは眉をひそめて見る。あれ、なに?
ウロの中から何かが出てこようとしている。
ぬるりとした、何かが・・・・・
ずるうぅぅ!
その「何か」の半身がウロから現れた。
あたしはギョッとして硬直する。
その、あまりにも気味の悪い光景に。
あれ・・・・・赤ん坊?


