「あの! ぼく走っていっちゃダメですか!? 走りには自信があるんですけど!」
「ダメに決まってますわよ」
「移動で体力と気力を消耗するより、牛で移動した方が効率的でございます」
「いや、効率的っていう次元の問題じゃなくて・・・!」
「凍雨君、気持ちはすっごく理解できるけど、ここは納得して。お願い」
どうやらアンソニー自身はすっごいヤル気満々みたいだし。
見てよあのキラリと光る赤い目と、ピンと張られた白い胸。
あれはかなり腕に自信があると見た。
赤い目が、チラッと鋭く凍雨君に向けられる。
『オラぼうず、グズグスすんな。男なら腹くくってさっさと乗らんかい』
・・・って言ってるんだと思う。たぶん。
もう彼って準備万端。
「・・・分かりました」
ガクッとうな垂れた凍雨君が男らしく決断してくれた。
ぐいっと威勢良く顔を上げてドスドスと足取りも荒く牛に近寄る。
「頼んだぞアンソニー!」
あたしはしま子に支えられるようにして牛に跨る。
お岩さんが、馬に乗る貴婦人のように横座りで牛に乗った。
その背後にはセバスチャンさんがサポート。
アンソニーを頭の上に乗っけた牛には、凍雨君が少し情けない表情で跨った。
ごめん。貧乏クジ引かせちゃって。
あとできっと埋め合わせするからね!
「それでは行きますわよ!」
お岩さんの掛声で、あたし達は一斉に雪原を進みだした。
ドドドドド・・・!!
雪の上を難なく牛達は疾走していく。
あたしは牛の背に揺られ、心の中で一心に祈った。
頑張って、牛! 一刻も早く権田原へ・・・!
そして権田原を守りきって、一刻も、一刻も早く・・・
門川君の元へ!!
「ダメに決まってますわよ」
「移動で体力と気力を消耗するより、牛で移動した方が効率的でございます」
「いや、効率的っていう次元の問題じゃなくて・・・!」
「凍雨君、気持ちはすっごく理解できるけど、ここは納得して。お願い」
どうやらアンソニー自身はすっごいヤル気満々みたいだし。
見てよあのキラリと光る赤い目と、ピンと張られた白い胸。
あれはかなり腕に自信があると見た。
赤い目が、チラッと鋭く凍雨君に向けられる。
『オラぼうず、グズグスすんな。男なら腹くくってさっさと乗らんかい』
・・・って言ってるんだと思う。たぶん。
もう彼って準備万端。
「・・・分かりました」
ガクッとうな垂れた凍雨君が男らしく決断してくれた。
ぐいっと威勢良く顔を上げてドスドスと足取りも荒く牛に近寄る。
「頼んだぞアンソニー!」
あたしはしま子に支えられるようにして牛に跨る。
お岩さんが、馬に乗る貴婦人のように横座りで牛に乗った。
その背後にはセバスチャンさんがサポート。
アンソニーを頭の上に乗っけた牛には、凍雨君が少し情けない表情で跨った。
ごめん。貧乏クジ引かせちゃって。
あとできっと埋め合わせするからね!
「それでは行きますわよ!」
お岩さんの掛声で、あたし達は一斉に雪原を進みだした。
ドドドドド・・・!!
雪の上を難なく牛達は疾走していく。
あたしは牛の背に揺られ、心の中で一心に祈った。
頑張って、牛! 一刻も早く権田原へ・・・!
そして権田原を守りきって、一刻も、一刻も早く・・・
門川君の元へ!!


