勢い余ってしま子が後ろに引っくり返る。
「しま子、しっかりなさって!」
お岩さんと凍雨君がしま子の腕のケガの具合を確認している。
あたしは頭から湯気が出そうになりながら巨大顔面の化け物を睨んだ。
よくも・・・あたしの可愛いしま子にやってくれたねえぇ!!
許さない! 自分の所業を骨の髄まで後悔してもらうよ!!
ガッ!と頭に血が昇って全身の血が沸き立つ。
心臓がバクバクと早鐘のように鳴った。
意識が集中し、ぎりぎりと弓矢のように張り詰めていく。
血潮が燃え盛る感覚。 そして、視えてくる黒い渦の中心。
・・・視えた! そこだ!
「天内さん! 危ない!」
「気をつけて!」
ふたりが背後で叫び声を上げた。
怒りに白目を血走らせた異形のモノが、大口を開けて素早く舌を突き出してくる。
まるで爬虫類が虫を捕獲するような、目にも止まらぬスピード。
そしてあたしの腕をバクリと一気に飲み込んでしまった。
お岩さんの悲鳴、凍雨君の息を呑む音、しま子の怒りの絶叫。
・・・・・ふん! 甘いよ!
異形のモノの表情がグニグニと歪んだ。
左右の目玉がギョロギョロと勝手な方向に回転し、頬やアゴがムクムク蠢く。
そして・・・
ゴオォッ!と音を立て、その口から炎が噴出した。
滅火の炎が巨大顔面を紅蓮の色に染め上げ包み込む。
目を剥き大口を歪ませて苦悶する異形の表情。
・・・どうだ! 思い知ったか、この顔面カメレオン!
「こ、これが滅火の力・・・!?」
「きゃー! さすがアマンダですわーっ!」
「うああ! ああうぁ――!」
皆の称賛の声はすぐに掻き消された。
バキバキ!っと牛車の天井が軋んだ音を立て、屋根が吹っ飛んでいく。
巨大顔面が群がって舌で殴り付け、牛車の屋根や壁を破壊していた。
こんのおぉぉ! なんつー頑丈な舌よ!
負けるか! もっぺん滅火の炎をおみまいしてやるからね!
「しま子、しっかりなさって!」
お岩さんと凍雨君がしま子の腕のケガの具合を確認している。
あたしは頭から湯気が出そうになりながら巨大顔面の化け物を睨んだ。
よくも・・・あたしの可愛いしま子にやってくれたねえぇ!!
許さない! 自分の所業を骨の髄まで後悔してもらうよ!!
ガッ!と頭に血が昇って全身の血が沸き立つ。
心臓がバクバクと早鐘のように鳴った。
意識が集中し、ぎりぎりと弓矢のように張り詰めていく。
血潮が燃え盛る感覚。 そして、視えてくる黒い渦の中心。
・・・視えた! そこだ!
「天内さん! 危ない!」
「気をつけて!」
ふたりが背後で叫び声を上げた。
怒りに白目を血走らせた異形のモノが、大口を開けて素早く舌を突き出してくる。
まるで爬虫類が虫を捕獲するような、目にも止まらぬスピード。
そしてあたしの腕をバクリと一気に飲み込んでしまった。
お岩さんの悲鳴、凍雨君の息を呑む音、しま子の怒りの絶叫。
・・・・・ふん! 甘いよ!
異形のモノの表情がグニグニと歪んだ。
左右の目玉がギョロギョロと勝手な方向に回転し、頬やアゴがムクムク蠢く。
そして・・・
ゴオォッ!と音を立て、その口から炎が噴出した。
滅火の炎が巨大顔面を紅蓮の色に染め上げ包み込む。
目を剥き大口を歪ませて苦悶する異形の表情。
・・・どうだ! 思い知ったか、この顔面カメレオン!
「こ、これが滅火の力・・・!?」
「きゃー! さすがアマンダですわーっ!」
「うああ! ああうぁ――!」
皆の称賛の声はすぐに掻き消された。
バキバキ!っと牛車の天井が軋んだ音を立て、屋根が吹っ飛んでいく。
巨大顔面が群がって舌で殴り付け、牛車の屋根や壁を破壊していた。
こんのおぉぉ! なんつー頑丈な舌よ!
負けるか! もっぺん滅火の炎をおみまいしてやるからね!


