神様修行はじめます! 其の三

罪。罪。罪。


雛型の罪。端境の罪。門川の罪。


じー様の罪。そしてあたしが・・・


あたしが否応無く背負う、罪。


千年も前から生まれ出る『罪』という名の、まさに魔物。


ううん、違う。千年どころか・・・


恐らくは有史以来、生命がこの世に誕生するのと同時に罪は生まれた。


そして人と罪は螺旋のように混じり合い、絡まり合ってきた。


消えない。罪は消え去らない。


どんなにどんなに時が経っても、どんなにどんなに償い続けても。


消え去る事も許される事も、絶対にないんだ。


ならば・・・・・

ならばやっぱり、あたしは・・・・・


「事情は飲み込めた。次は行動に移す」


門川君の声にあたしの意識がハッと元に戻る。


い、いけないいけない!


今は自分の事よりも解決するべき問題があるでしょ!?


しっかりしろあたし!


両目をギュッと強く瞑り、頭をプルプル振って目の前の問題に集中した。


「やはり僕は門川へ戻らなければならない。ここから二手に分かれよう」


「でも門川の屋敷内は大丈夫なの?」


門川は本拠地だ。


異形のモノ達に重点的に狙い撃ちされる可能性だってあるのに。


「心配は無用じゃ。門川には門番の阿吽(あ・うん)がおるからの」


あぁそうか! 狛犬ブラザーズ!


門川には自前の結界師がいたんだっけ!


平素は憎ったらしいムク犬だけど、今回ばかりは頼もしい味方だわ!


「ではセバスチャン、後のことは頼んだ」


「承知いたしました、永久様」


「あ、ちょっと待ってよ! この連中とか端境の一族は放っておいてもいいわけ?」


このままじゃ厄介な事にならない?


こいつら後から復活して、人の邪魔ばっかりしそうな雰囲気アリアリなんだけど。