神様修行はじめます! 其の三

「不当な扱いを耐え忍んできた、我等の積年の恨みをここで晴らすのだ!」


術師は、さも憎らしげな声で叫んだ。


「思い知れ! 門川はもう終わりだ!」


「当主よ! 無様に土下座して救いを求めるがよいわ!」


「それでも許すつもりなど無いがな。ははははは!」


― ゴンッ!!! ―


キレたあたしとお岩さんと凍雨君が、息を合わせて握り拳で術師達の頭をぶん殴った。


なんなのよその勝ち誇った偉そうな態度は~~!!


んもうっ、我慢の限界だー!


「アホかあんたら!! なに笑ってんのよ!?」


「どこまでアホなんですの!? いっそ土に埋めてしまいたいほどアホ揃いですわ!」


「いえ、氷の下に沈めましょう! そんで氷の上に蛍光塗料で『こいつらアホ』って書いてやるんだ!」


本当に信じられないアホばっかり!


世界の罪の無い者達の命を危険にさらして、よくもまぁ平気でいられるわね!?


だいたい何よ!? 積年の恨み恨みって!


もう千年も前の事でしょう!? あんた達が当事者なわけでもあるまいし!


それを、さも昨日の出来事でもあるかのように、グチグチねちねちウダウダと!


あーもー! うっとーしくって痒くなってくる!


「あんた、奥さんいないでしょ!? 女と付き合えるタイプじゃないもんね!」


「門川め、そうやって驕り高ぶっているがいいさ」


「あたしは天内だっつーの!」


「どんなに勝利の上にあぐらをかこうと、お前達の罪は永遠に消えぬわ」


・・・・・!


あたしは言葉に詰まった。


あたしの罪は永遠に消えない?


あたしの・・・罪? 罪?


「被害を受けた者の恨みは決して消えぬ。時間さえ経てば許されると思うは間違いだ」


「・・・・・」


「罪は、千年経っても万年経っても消えぬ。お前達はそれを死んでも背負い続ける定めなのだ」