「そうだ! ぼく、宝物庫から色々と持ち出してきたんです!」
そう言って着物の合わせや袖のたもとに手を突っ込む。
そして次から次へとホイホイ門川一族の家宝を引っ張り出した。
「どれが何だか全然分からないから、適当にかっぱら・・・いえ、借りてきたんですけど。なにか役に立つ物ありますか?」
大きな目をニッコリさせて自慢そうに笑う。
その色白な顔を、絹糸がいまにも齧り付きそうな顔で睨み付けた。
「小僧~! この宝物を集めるのに、先人達がどれほど血の汗と涙を流したか知っておるのか~!」
「わ――!? ごめんなさい齧らないで!」
「片っ端から引っくり返しおったな!? そもそもどうやって宝物庫に入り込んだのじゃ!?」
「ドサクサに紛れて入り込みました! お願い食べないで!」
両手で頭を抱えて怯える凍雨君を、あたしは大口開けてキバ丸出ししている絹糸から庇う。
「まぁまぁ、この年頃の男の子にとってお宝アイテムってのは魅惑的なもんなんだよ」
「子どものオモチャでは無いわ! どれほど希少な物か分からぬのか!」
「しょうがないでしょ? 今は非常時なんだからさ」
「だからこそ強大な力を持つ宝物の管理は厳重に・・・!」
― キイィンッ! ―
結界術の発動する音が聞こえた。
なに!?
皆が周囲を警戒すると同時に、大きな三角形の結界術が屋敷の方角からブォン!と飛んできた。
そして池のど真ん中にザブンと勢い良く落っこちる。
― ザアアァァ! ―
池の水の表面全体がダプンダプンと蠢く。
すると・・・
ドオン!っと音を響かせて、天を突くような巨大な水の竜巻が立ち昇った。
デカい! 水の飛沫がここまで飛んでくる!
水竜巻が凄いスピードで接近してきた。
見上げるほどの極太の竜巻が轟音を上げて突進してくる。
あたしは何が起こってるのかワケが分からず、口をパッカリ開いて呆然とその光景を見守るばかり。
う、あ・・・ああぁ!? 来る――!!
そう言って着物の合わせや袖のたもとに手を突っ込む。
そして次から次へとホイホイ門川一族の家宝を引っ張り出した。
「どれが何だか全然分からないから、適当にかっぱら・・・いえ、借りてきたんですけど。なにか役に立つ物ありますか?」
大きな目をニッコリさせて自慢そうに笑う。
その色白な顔を、絹糸がいまにも齧り付きそうな顔で睨み付けた。
「小僧~! この宝物を集めるのに、先人達がどれほど血の汗と涙を流したか知っておるのか~!」
「わ――!? ごめんなさい齧らないで!」
「片っ端から引っくり返しおったな!? そもそもどうやって宝物庫に入り込んだのじゃ!?」
「ドサクサに紛れて入り込みました! お願い食べないで!」
両手で頭を抱えて怯える凍雨君を、あたしは大口開けてキバ丸出ししている絹糸から庇う。
「まぁまぁ、この年頃の男の子にとってお宝アイテムってのは魅惑的なもんなんだよ」
「子どものオモチャでは無いわ! どれほど希少な物か分からぬのか!」
「しょうがないでしょ? 今は非常時なんだからさ」
「だからこそ強大な力を持つ宝物の管理は厳重に・・・!」
― キイィンッ! ―
結界術の発動する音が聞こえた。
なに!?
皆が周囲を警戒すると同時に、大きな三角形の結界術が屋敷の方角からブォン!と飛んできた。
そして池のど真ん中にザブンと勢い良く落っこちる。
― ザアアァァ! ―
池の水の表面全体がダプンダプンと蠢く。
すると・・・
ドオン!っと音を響かせて、天を突くような巨大な水の竜巻が立ち昇った。
デカい! 水の飛沫がここまで飛んでくる!
水竜巻が凄いスピードで接近してきた。
見上げるほどの極太の竜巻が轟音を上げて突進してくる。
あたしは何が起こってるのかワケが分からず、口をパッカリ開いて呆然とその光景を見守るばかり。
う、あ・・・ああぁ!? 来る――!!


