彼を背中に乗せた絹糸が戻ってきた。
みんな大急ぎで駆け寄る。
「凍雨君! 大丈夫!? どうしたの!?」
「び、びっくりした! まさか転移した途端に落っこちるなんて、こんなの詐欺だよ!」
口をパクパクさせながら青い顔で凍雨君が喘いでいる。
「びっくりしたのはこっちじゃ! 小僧、お前あの宝珠がどれほど貴重なものか知っておるのか!?」
噛み付くような絹糸の形相に凍雨君が縮こまる。
「ご、ごめんなさい! でも非常事態が起きたんです!」
非常事態!?
皆が一様にギクリとして凍雨君を見た。
「権田原一族の里の結界が破られたんです! 異形のモノの襲撃を受けています!」
そんな・・・!! 遅かった!?
お岩さんが両手で顔を覆い、ヒィィとか細い悲鳴を上げた。
そしてセバスチャンさんに血相変えて縋り付く。
「ああぁ、どうしよう遥峰(はるみね)! みんなが殺されちゃうよ!」
「落ち着け、岩!」
セバスチャンさんが片腕でお岩さんを力強く抱き寄せる。
お岩さんは目に涙を浮かべてその胸にしがみ付いた。
絹糸が唸り声を上げる。
「ううぬ、弱い所を一番に突いてきたか。知恵のあるモノがおるようじゃの」
「状況が変わったな。もはや一刻の猶予もない。だから天内君」
「はい!?」
門川君に突然名前を呼ばれて、あたしは思わず背筋をピンと伸ばす。
は、はい、なに!? だからって、何がだから!?
「君、今から僕とは別行動だ。しま子と一緒に権田原へ行ってくれ」
「・・・・・へ?」
「門川からの応援部隊が駆けつけるまで、加勢するんだ。持ちこたえさせてくれ」
「・・・・・」
あたしはキョトンとしてしまった。
みんな大急ぎで駆け寄る。
「凍雨君! 大丈夫!? どうしたの!?」
「び、びっくりした! まさか転移した途端に落っこちるなんて、こんなの詐欺だよ!」
口をパクパクさせながら青い顔で凍雨君が喘いでいる。
「びっくりしたのはこっちじゃ! 小僧、お前あの宝珠がどれほど貴重なものか知っておるのか!?」
噛み付くような絹糸の形相に凍雨君が縮こまる。
「ご、ごめんなさい! でも非常事態が起きたんです!」
非常事態!?
皆が一様にギクリとして凍雨君を見た。
「権田原一族の里の結界が破られたんです! 異形のモノの襲撃を受けています!」
そんな・・・!! 遅かった!?
お岩さんが両手で顔を覆い、ヒィィとか細い悲鳴を上げた。
そしてセバスチャンさんに血相変えて縋り付く。
「ああぁ、どうしよう遥峰(はるみね)! みんなが殺されちゃうよ!」
「落ち着け、岩!」
セバスチャンさんが片腕でお岩さんを力強く抱き寄せる。
お岩さんは目に涙を浮かべてその胸にしがみ付いた。
絹糸が唸り声を上げる。
「ううぬ、弱い所を一番に突いてきたか。知恵のあるモノがおるようじゃの」
「状況が変わったな。もはや一刻の猶予もない。だから天内君」
「はい!?」
門川君に突然名前を呼ばれて、あたしは思わず背筋をピンと伸ばす。
は、はい、なに!? だからって、何がだから!?
「君、今から僕とは別行動だ。しま子と一緒に権田原へ行ってくれ」
「・・・・・へ?」
「門川からの応援部隊が駆けつけるまで、加勢するんだ。持ちこたえさせてくれ」
「・・・・・」
あたしはキョトンとしてしまった。


