「神の一族達も千年前とは変わった。今なら不測の事態にも対応できる」
絹糸があたしの心を見透かしたかのように、そんな事を言った。
「じゃが非常事態である事に変わりない。特に権田原は他の一族に比べて戦闘面に関しては、弱い」
「その通りですわ! 一刻も早く戻らなくては!」
お岩さんが顔色を変えて、それでも凛とした態度で宣言した。
「セバスチャン! 戻りますわよ!」
「はい、ジュエル様」
「ちょ、ちょっとちょっと! そういう事ならあたし達も一緒に行こうよ!」
あれだけお世話になった権田原の人達を無視なんてできないよ!
みんなで守ろう! ねぇ門川君、絹糸、そうしよう!
「天内のお嬢様、それはなりません」
セバスチャンさんが静かに首を横に振る。
「ど、どうして!? あたし達は仲間じゃん!」
「それは無論でございます。ですが永久様は門川の当主にあらせられます」
「非常事態に総大将が、あちこちウロチョロするなんて聞いたこともありませんわ」
お岩さんも当然の顔をしてそんな事を言ってるけど・・・。
でも大丈夫なの!?
権田原は土の力を行使する一族で、今は冬。
休息の時期に入っているんでしょ!?
一緒に戦ってくれる動物達だって冬眠してるのも多いだろうし!
全体の力が低下している今、大量の異形のモノに襲い掛かられたら・・・!
「岩さん、僕が戻ったらすぐに門川から部隊を派遣しよう」
「お願いしますわ。永久様」
「セバスチャン、派遣した部隊の全権を君に委ねる。好きなように配置してくれ」
「承知いたしました」
揃って頷き合う三人を見ながら、あたしの胸と胃はキリキリと痛んだ。
やっぱり権田原には行けないの?
大切な仲間の一大事な時なのに、一緒に戦えないなんて!
「小娘、押さえよ。当主が本陣で指揮をとらねばどうにもならぬ」
「それは、分かる、けど」
「永久とてお前と気持ちは同じじゃ。汲んでやれ」
絹糸があたしの心を見透かしたかのように、そんな事を言った。
「じゃが非常事態である事に変わりない。特に権田原は他の一族に比べて戦闘面に関しては、弱い」
「その通りですわ! 一刻も早く戻らなくては!」
お岩さんが顔色を変えて、それでも凛とした態度で宣言した。
「セバスチャン! 戻りますわよ!」
「はい、ジュエル様」
「ちょ、ちょっとちょっと! そういう事ならあたし達も一緒に行こうよ!」
あれだけお世話になった権田原の人達を無視なんてできないよ!
みんなで守ろう! ねぇ門川君、絹糸、そうしよう!
「天内のお嬢様、それはなりません」
セバスチャンさんが静かに首を横に振る。
「ど、どうして!? あたし達は仲間じゃん!」
「それは無論でございます。ですが永久様は門川の当主にあらせられます」
「非常事態に総大将が、あちこちウロチョロするなんて聞いたこともありませんわ」
お岩さんも当然の顔をしてそんな事を言ってるけど・・・。
でも大丈夫なの!?
権田原は土の力を行使する一族で、今は冬。
休息の時期に入っているんでしょ!?
一緒に戦ってくれる動物達だって冬眠してるのも多いだろうし!
全体の力が低下している今、大量の異形のモノに襲い掛かられたら・・・!
「岩さん、僕が戻ったらすぐに門川から部隊を派遣しよう」
「お願いしますわ。永久様」
「セバスチャン、派遣した部隊の全権を君に委ねる。好きなように配置してくれ」
「承知いたしました」
揃って頷き合う三人を見ながら、あたしの胸と胃はキリキリと痛んだ。
やっぱり権田原には行けないの?
大切な仲間の一大事な時なのに、一緒に戦えないなんて!
「小娘、押さえよ。当主が本陣で指揮をとらねばどうにもならぬ」
「それは、分かる、けど」
「永久とてお前と気持ちは同じじゃ。汲んでやれ」


