「滅火の力が今にも発動しそうよ!」
「よせ! シャレにならぬわ!」
「こっちこそシャレになんないって!」
ガスドスッ!と音を立てて畳を連打するあたしを、しま子がオロオロと見ている。
絹糸は肉球の見える手をパタパタさせ、あたしに落ち着くよう促した。
「別に永久はお前を裏切ってはおらぬわ」
「これが裏切り行為以外のなんだって言うの!?」
「お前も知っておろうが。永久は自分の気持ちに気付いておらんのじゃ」
「それは・・・!」
そ・・・れは・・・
確かに・・・・・
門川君は、その特殊すぎる育成環境と生い立ちのせいで・・・
一般常識というものが、丸まんまスッポリ欠如している。
この世に『恋愛』というものが存在している事を知らない。
だから当然、あたしへの感情が恋愛感情だと気付いていない。
彼の中であたしは『かけがえのない大切なお友達』程度の認識でしかない。
「小娘の存在と自分の結婚とを、結びつけて考える事ができぬのじゃよ」
「・・・・・」
「どうも永久は、結婚や花嫁の事を、会社の共同経営者を選ぶようなものだと認識しておるようじゃ」
「よせ! シャレにならぬわ!」
「こっちこそシャレになんないって!」
ガスドスッ!と音を立てて畳を連打するあたしを、しま子がオロオロと見ている。
絹糸は肉球の見える手をパタパタさせ、あたしに落ち着くよう促した。
「別に永久はお前を裏切ってはおらぬわ」
「これが裏切り行為以外のなんだって言うの!?」
「お前も知っておろうが。永久は自分の気持ちに気付いておらんのじゃ」
「それは・・・!」
そ・・・れは・・・
確かに・・・・・
門川君は、その特殊すぎる育成環境と生い立ちのせいで・・・
一般常識というものが、丸まんまスッポリ欠如している。
この世に『恋愛』というものが存在している事を知らない。
だから当然、あたしへの感情が恋愛感情だと気付いていない。
彼の中であたしは『かけがえのない大切なお友達』程度の認識でしかない。
「小娘の存在と自分の結婚とを、結びつけて考える事ができぬのじゃよ」
「・・・・・」
「どうも永久は、結婚や花嫁の事を、会社の共同経営者を選ぶようなものだと認識しておるようじゃ」


