『あなた! しっかりして! あなた!』
『・・・・・』
『嫌あぁ! お願い死なないで―――!』
凍傷になり色の変わった皮膚が雪に埋もれていく。
夫の意識はとうに失われ、呼吸も止まる寸前だった。
死ぬ。目の前で死んで行く。
自分の愛する夫が、自分のせいで死んで行く!
死んでしまう―――!!
「それで・・・どちらを選んだんですの?」
お岩さんが聞いた。
世界と愛する男の両天秤。
千年前に起きた大惨劇。犯した大罪は・・・。
『私の愛するあなた! あなたの命はきっと守ってみせます!』
「女は・・・夫を選んだ」
お岩さんは静かに頷いた。
その気持ちが痛いほど理解できたんだろう。
前回の戦いで、世界よりもセバスチャンさんの命を選ぼうとしたお岩さんには。
あたしにだってすごく良く理解できる。
だって身内や仲間や愛する者が、目の前で死にかけているのを見ながら・・・
「あ、助けたら世界が大変になっちゃう。だからこのまま放っておこうっと」
なんてこと、いったい誰が考える?
助ける力があるなら救いたいと思うのが人情だよ。
人間として当然の感情じゃん。責められるようなもんじゃないよ。
「確かにのぅ、人として無理からぬ感情じゃ。だがその結果・・・大惨劇が起きた」
『・・・・・』
『嫌あぁ! お願い死なないで―――!』
凍傷になり色の変わった皮膚が雪に埋もれていく。
夫の意識はとうに失われ、呼吸も止まる寸前だった。
死ぬ。目の前で死んで行く。
自分の愛する夫が、自分のせいで死んで行く!
死んでしまう―――!!
「それで・・・どちらを選んだんですの?」
お岩さんが聞いた。
世界と愛する男の両天秤。
千年前に起きた大惨劇。犯した大罪は・・・。
『私の愛するあなた! あなたの命はきっと守ってみせます!』
「女は・・・夫を選んだ」
お岩さんは静かに頷いた。
その気持ちが痛いほど理解できたんだろう。
前回の戦いで、世界よりもセバスチャンさんの命を選ぼうとしたお岩さんには。
あたしにだってすごく良く理解できる。
だって身内や仲間や愛する者が、目の前で死にかけているのを見ながら・・・
「あ、助けたら世界が大変になっちゃう。だからこのまま放っておこうっと」
なんてこと、いったい誰が考える?
助ける力があるなら救いたいと思うのが人情だよ。
人間として当然の感情じゃん。責められるようなもんじゃないよ。
「確かにのぅ、人として無理からぬ感情じゃ。だがその結果・・・大惨劇が起きた」


