「ふうぅ、死ぬかと思うたわい」
サンドイッチから無事に救出された絹糸が、ブルルッと全身を振るった。
「・・・雛型と当主は去ったようじゃの」
「ねぇ門川君、あのマロが居なくなったんなら結界も消えたんじゃない?」
「だめだな。結界の強度に一切の変化は無いようだ」
「見事な術式でございますね。敵ながらあっぱれです」
いつの間にやら、ピシッと髪を束ね直したセバスチャンさんが感心したように言った。
爆発ヘアスタイルになってるお岩さんが噛み付く。
「なにを暢気な事を言ってますの!? あっぱれもガッポリもありませんわよ!」
「ジュエル様、とりあえずそのヘアスタイルをなんとか致しましょう」
「髪なんかこの際どうでもよろしいですわ!」
「よくないよお岩さん。なんか、妖魔メデューサみたいになってて怖いよ」
「ベルベットちゃん! どういう事なのかキッチリ説明していただきますわ!」
妖魔メデューサなお岩さんが、クルッと絹糸に向き合って叫んだ。
「永久どうじゃ? この結界、破れるか?」
絹糸は完全に無視して門川君に話しかけている。
「ちょっとベルベットちゃんたら!」
「うるさいのう。妖魔は髪でも直しておれ。その話は後じゃ」
門川君はメガネのブリッジ部分を指で押し上げ、少し考え込む。
「可能と不可能の二択ならば、それは可能だが」
「え!? 可能なの!? だって術は発動できないって言ってたじゃん!?」
「破術は別物だよ。でなければ破術が存在する意味が無い。ただ・・・」
「これほど強固な結界を破るには、相当な時間がかかりますね」
懸命に髪を直しているお岩さんの前に手鏡をかざしながら、セバスチャンさんが言った。
「この様子では敵もかなり長期間、力を溜め込んだようですから」
「普通でいったら、解除にかかる日数は数日ないし一週間以上、だな」
サンドイッチから無事に救出された絹糸が、ブルルッと全身を振るった。
「・・・雛型と当主は去ったようじゃの」
「ねぇ門川君、あのマロが居なくなったんなら結界も消えたんじゃない?」
「だめだな。結界の強度に一切の変化は無いようだ」
「見事な術式でございますね。敵ながらあっぱれです」
いつの間にやら、ピシッと髪を束ね直したセバスチャンさんが感心したように言った。
爆発ヘアスタイルになってるお岩さんが噛み付く。
「なにを暢気な事を言ってますの!? あっぱれもガッポリもありませんわよ!」
「ジュエル様、とりあえずそのヘアスタイルをなんとか致しましょう」
「髪なんかこの際どうでもよろしいですわ!」
「よくないよお岩さん。なんか、妖魔メデューサみたいになってて怖いよ」
「ベルベットちゃん! どういう事なのかキッチリ説明していただきますわ!」
妖魔メデューサなお岩さんが、クルッと絹糸に向き合って叫んだ。
「永久どうじゃ? この結界、破れるか?」
絹糸は完全に無視して門川君に話しかけている。
「ちょっとベルベットちゃんたら!」
「うるさいのう。妖魔は髪でも直しておれ。その話は後じゃ」
門川君はメガネのブリッジ部分を指で押し上げ、少し考え込む。
「可能と不可能の二択ならば、それは可能だが」
「え!? 可能なの!? だって術は発動できないって言ってたじゃん!?」
「破術は別物だよ。でなければ破術が存在する意味が無い。ただ・・・」
「これほど強固な結界を破るには、相当な時間がかかりますね」
懸命に髪を直しているお岩さんの前に手鏡をかざしながら、セバスチャンさんが言った。
「この様子では敵もかなり長期間、力を溜め込んだようですから」
「普通でいったら、解除にかかる日数は数日ないし一週間以上、だな」


