「……千羽鶴。手伝ってくれてただろ?」
「……え?」
千羽鶴というワードが、上原君の口から出てくるとは思わなかった。
あれは、まだナイショの物。
毎年あげているものだから、サプライズにはならないけれど、それでもマネージャーが想いをこめて作り上げた、大切な物だ……。
「あ、いや、それは……何の事かなっ?!」
慌ててごまかしてみたけれど、上原君はフッと笑って首を横に振る。
「見ちゃったから。ずっとくるみと一緒に昼休みに飯も食わないで、必死に折っていたとこ」
「あー……」
誰もいなくて、来なさそうな場所を選んだのに。
上原君にしっかりとバレていただなんて……。



