「あ、いや、ごめんね!自分の事で頭いっぱいだったし……」
「ウソウソ。今は、ちゃーんと興味持ってくれてるみたいだから、許すよ」
「……何で上から目線?」
「いいじゃん、別に。藤波さんがこんなに面白い人だと思わなかったなー」
そう言いながら、上原君は持っていた黒板消しで、一番上の部分を綺麗に消してくれた。
「ありがとう。手伝ってくれて……」
「いや、お礼を言わなきゃいけねーのは俺のほう」
「え?」
お礼って何?
私、上原君からお礼を言われるような事はしていないけど……?
心当たりがなくて、首をかしげていると、上原君は急に真面目な顔になった。



