キミの空になりたい



少し頬を赤らめて、本当に可愛い。


……でも、金子君と上手くいったんだ。


本当によかった。



「汐音ちゃん、ありがとうね」


「……私は何もしてないよ?」


「ううん。汐音ちゃんのおかげで、自分の気持ちに気づけたから」


「そんな事は……。あ、そうだ、これ……」



私は、ハッと思い出して、カバンの中から包装紙にくるまれたハンカチを出した。



「ごめんね。借りたハンカチ、返すの忘れちゃって。洗濯したのと、新しいの」


「……私のせいで、汐音ちゃんはたくさん辛い思いしたよね?」


「……そんな事ないよ。たくさん泣いたから今があるんだよ」



そう言って、私は包みを綾美ちゃんに差し出した。