キミの空になりたい



「上原君を追いやるなんて……。男子禁制トークって何よ?」


「男子って言うより、野球部禁制。だって知られちゃったらサプライズにならないじゃない?」



そうは言うけれど、くるみの言いたいことがいまいちよくわからない。


私が首をかしげると、くるみは周りを見回した。



「……千羽鶴」



私にだけ聞こえるようにヒソヒソとささやくくるみ。


そこで初めて、サプライズの意味がわかった私。



「毎年、ベンチに飾る、必勝祈願の千羽鶴を贈ってるんだけど、サプライズなようでサプライズじゃないんだけどね。それでも内緒にしておきたいんだ」


「そうなんだ?全然知らなかった」


「本当に何も知らなかったの?去年、結構お願いして千羽鶴手伝ってもらってたのに」



全く知らなかったよ……。