やはり、涌井君でもこの状況は力んでしまうんだ。


私と同じだ……。


でも今、彼に向かって何て言葉をかけていいのかわからない。


ひたすら祈る事しかできなくて、はがゆさを感じる。



涌井君はまた、何度か首を振ってうなずいた。


そして、大きく振りかぶってボールを投げる。


バッターは空振りをした。


ストライク。


黄色い光が一つ、点灯する。


3アウトまで、後2つのストライク。


ここまで頑張って来たじゃない……。



どうか……お願い。


ここで、夏を終わらせないで……。



涌井君を、夢の舞台へ連れて行って……。