キミの空になりたい



「へー。くるみってミックスジュース好きじゃないんだ?」



二人で盛り上がっていたら、突然男の声が降ってきた。


女の子同士で話をしている時に、男の子が乱入してきたことは高校に入って一度も経験していない。


だからこの状況が、本当に驚いたんだ。


声がした方を見ると、そこにいたのは上原君だった。



「うん、そう。甘ったるいし」


「女って、甘いのがみんな好きなんじゃねーの?」


「そうなんだけど、ミックスジュースは微妙……。上原君はミックスジュースどう思う?」


「まあ、嫌いじゃないけど、暑い時には飲む気しねーよな」


「だよねー。汐音は暑い時でも大丈夫なもん?」


「……まあ、ね」



私の答えを聞いて、なぜか、上原君が苦笑した。