心配してくれるのはありがたいんだけど、恥ずかしくて話せる状態ではない。
「大丈夫だよー。ほら、最近暑い日が続くしさ……」
「そう?この前、グラウンドのほうに届け物をしに来た時のが原因で、体調崩してるんじゃないかって思って……」
ドキッ。
体調を崩しているわけではないんだけど、この前の事を指摘されて心臓が反応してしまった。
「だ、大丈夫だよー。私、小学校の時から、健康だけが取り柄だし」
「そう?無理しないで、調子悪かったら言いなよー?」
「う、うん、ありがとう……」
くるみの親切な言葉に、悪いと思いながら私は苦笑いをした。
私の心臓は正直だと思う。
あの日の光景を思い出すたびにドキドキするんだから。