「3回戦は見に行けそうだよね。汐音ちゃん、また一緒に行こうよ」
「……え?いいの?」
「当たり前だよ。好きな人の応援に行って何が悪いの?」
綾美ちゃんの友達だから、てっきり見に行かないでって言われると思ったのに……。
「……今だけだもん、野球をしてるのを見られるのは。行かないと後悔すると思うし」
「……ありがとう」
「そんな、お礼を言われる事じゃないよ。それに、綾美と私は友達だけど、汐音ちゃんは自分の恋愛に遠慮しなくても大丈夫だよ」
「え?」
「後悔だけはして欲しくないって思うから」
涼子ちゃんはそう言うと、自分の靴箱を開けて、靴を出した。



