「私たちも応援席に行こう?」
「あ、そうだね」
涼子ちゃんにうながされて、私は思い出したように返事をした。
2人で四葉台側の応援席に行くと、すでに野球部や吹奏楽がスタンバイをしていた。
今まで、テレビの中でしか見た事がなかった光景が、目の前に広がっている。
野球部と同じ帽子をかぶって、楽器を手にしている吹奏楽部。
大きな青いメガホンを両手に持った、ベンチ入りできなかった野球部員。
後ろの方には野球部の保護者と見られる大人が何人も座っていた。
「あ、涼子ー!来たんだ?」
「もちろん!」
物珍しげにキョロキョロと辺りを見回していたら、涼子ちゃんを呼ぶ声がした。



