そこまで嬉しく思ってくれるとは予想していなかった。


野球部の努力を一番近くで見て来たくるみだから、誰よりも甲子園への夢を応援していると思う。


その思いが、どうか叶いますように……。



「でも、私なんかでよかったの?涌井君にあげたほうがいいんじゃ……?」


「そ、そんな事できないよ。それに、最初からそれはくるみのために作ったんだし」


「そっか。本当に嬉しい。今まであげる立場だったから、もらうのってこんなに嬉しいんだって知らなかった」



くるみの持っている千羽鶴が、ユラユラと風で揺れる。


よく見ると不格好だけど、それでも誇らしげに羽を広げているように見えた。