「……くるみのために、作ってみた」 「えー?なになにー?」 目をキラキラと輝かせながら、くるみは紙袋を受け取り、中を開ける。 そして、手を入れて中から千羽鶴を引っ張り出した。 「……野球部にあげた物よりグレードダウンしちゃうけど、くるみも野球部のために頑張っていたし、何よりも一緒に戦う野球部の一員だから」 「汐音……」 「昨日、神社で必勝祈願もしてきたから。明日は頑張ってね。応援しに行くから」 「汐音、ありがとう……!」 くるみの目から涙がポロポロとこぼれ落ちる。