「へぇー。それでわざわざ休みの日に、制服着てまで?」
「……」
今の上原君の聞き方はすごくイジワルだと思う。
私が涌井君を好きだって、疑っている聞き方だ。
「……藤波さん、新垣さんのために千羽鶴を作ったんだ」
「千羽鶴?」
言葉につまっていた私の代わりに、涌井君が答えてくれた。
上原君は不思議そうな顔で、彼の方を向く。
「ああ。昨日、神社でたまたま会ってさ。藤波さん、作った千羽鶴を持って必勝祈願してくれていたんだ」
「……そっか。くるみ、喜ぶよ」
「う、うん……」
涌井君の説明に納得してくれたらしい。



