キミの空になりたい



野球部員との恋愛は、田口先生はあまりうるさく言わないけれど、部内恋愛に関しては絶対禁止だからなぁ。


あんなに温厚な田口先生でも、鬼の形相になると思う……。


目を光らすのも、仕方ないよね。


過去にやらかした部員がいたんだから。



「藤波さん?」


「あ、上原君……」



タオルを肩にかけた上原君がグラウンドから出て来た。


後ろから涌井君も出て来て、私はドキッとしてしまう。


こんなにすぐ反応するなんて、本当に心臓は正直だ。



「休みの日なのにどうしたの?」


「あ、うん。くるみに渡す物があって……」



私は抱えていた紙袋をギュッと抱きしめる。