キミの空になりたい



グラウンドが近くなってくると、野球部の掛け声が聞こえてきた。


時々、カキーンという音も混じる。



「声出してこーっ!」


「ウェーイ!」



女の子の声に、野球部員が返事をする。


ウェーイって言っているのではないのだろうけれど、私にはそう聞こえてきた。


グラウンドに着くと、すぐに中には入らず、練習風景を見る私。


初めて見る、野球部のこの姿。


選手だけでなく、マネージャーも一緒に声出ししてるのかと思ったら、一丸となって、夢の甲子園を目指しているんだなって、少し胸が熱くなる。


夢に向かって、部活に打ち込む姿ってやっぱりいいなぁ。


少し前の自分を思い出して、ドキドキする。



同時に、大会で負けた時の悔しさまで浮かんできた。