目が覚めると、また潤平は病院にいた。
頭部の骨折と全身の打撲、腹部の骨折など重症をおった。生きているのが奇跡的なくらいだった。

目はぼこぼこに腫れて、少ししか見えない。
耳は鼓膜が、片方いかれてしまって聞こえなくなっていた。
僕は酷い痛みと骨折でしばらく動きがとれずにいた。

うっすら見える視界の中で、病室には同じ部屋にいる老人がニュースをみていた。

潤平は半分痛くて眠りながらも耳をすましていた。
何やら昨日の事が事件になり報道されていた。


ニュースが流れる。
小さい音で耳に聞こえてきた。

「今日の午前2時頃、渋谷の雑居ビルの一室で、乱闘騒ぎが起こっていると通報があり、警察がかけつけた所、新宿歌舞伎町のホストクラブで働く20代前半の住所不定の男性が複数人に殴られ全治三ヶ月の重症をおった模様。被害者の命に別状はありませんでした。警察は暴行殺人事件未遂の疑いとして複数人の男から詳しく事情を聞く様子です。また関連する事件についても…」

潤平の事件は全国ニュースで報道されていた。