「あー、だから2つ入ってんのか」



「うん。…じゃあね」



そう言って伊吹に背中を向ける。



そのまま、教室を出ようとしたら。



「…凛」



「ん?」



「凛の誕生日には、オレが何か作ってやっからな?」



「は?…伊吹が作るの?」



「…まぁな」



「なんか、毒でも入ってそう…」



あの日から、伊吹とはほとんど話してなかったから緊張していたんだけど。



伊吹のおかげで緊張がほぐれて、思わず笑ってしまった。