「まったく、梶野はしょうがない奴だな。仕方がない。代わりに村田、解いてみろ」 「えぇっ!あ、あたし!?」 「村田が話しかけて眠ったようなもんだからな」 梶野くんは最初から眠そうだったんだから。 あたしが話しかけたから、眠った訳じゃない。 ……たぶん。 でも、隣の席で呑気に寝息を立てて眠っている彼を見たら、 当てられたことをあまり怒れなくなってしまった。 なんて、彼はこんな無防備に寝てるんだ。