「やっぱ、それも取って」 「えっ……」 梶野くんはどうしてもあたしに髪のゴムを取ってもらいたいらしく。 あたしが、もたもたしていると…… 彼は後ろに手を回し、そのまま髪に触れた。 「え?梶野くん?」 無言のまま、ヘアゴムを取った。 ふわりと、学校で初めて、あたしの髪が下ろされた。