「ちょっと若菜!若菜ってば!」 梶野くんの背中をボーっと見ていると、 呆れながらあたしの体を揺らすのはモモちゃん。 「……へ?モモちゃん、どうしたの?」 「どうしたのじゃないでしょ!まったく」 はぁ、と溜息を吐いたモモちゃんは、目の前に座った。 「あんなヤツのどこがいいのか、私には理解できないわ」 モモちゃんには梶野くんの良さが分からないみたいなんだ。 あたしがどんなに彼の良さを熱弁しても、 理解できない、の一点張り。