「梶野くん、あたしの家知ってるの?」 前を歩く梶野くんに聞いた。 「……知らね」 ふいっと顔を反らすと、自分の隣をちょんちょんと指さした。 おそらく隣に来いという合図だろうか。 その様子がすごく可愛くて、思わず笑ってしまうと、 またしても睨まれてしまった。 でも、仕方がないよ、ね。