「まさか、卵しか入れないわけ?」
「? そうだけど」
「せめて野菜ぐらい入れなさいよ!」
「は?」
「もやしとか、キャベツとか、人参とか!」
「……なに? 心配してくれるわけ?」
「………っ!!」
ニッと笑った男の顔がムカついて。
あたしは「ムカつくんだよ、バカ!」と怒鳴って走り去った。
ぜんぜん、関係ないし。
あんな男。
……そうだよ。
あの男が栄養失調で倒れたら、子牛印のバターも、卵も、全部あたしのもの。
いつだって、好きなときに、お気に入りの味噌ラーメンが食べられる。
それに、2日目の雑炊に七味を入れるだの、メチャクチャにされることもない。


