【恋愛短編】味噌らーめん



あたしから子牛印のバターを奪った男。

2日目の雑炊には七味だと邪道なことを自慢げに言った男!


天敵は、またしてもあたしから大切な物を奪おうと最後の卵に手を伸ばしている。



「おっ、おまえかぁ。なに? 卵買いに来た?」


「……今度はあたしに譲ってよ!」


「そういや、今日は雑炊だったな」


「うるさいっ! 1日ぐらい卵食わなくたっていいでしょ?」


「ちょ、バカ! やめろって」



あたしと男は1パックの卵を奪い合う。

それぞれが握り合うパックの両端。

あまりにも力が強すぎて、端っこの卵は割れ、白身と黄身が流れ出す。



「あああっ! ほらっ、割れちゃったじゃないの!」


「おまえが引っ張るからだろ!?」


「はあ!? あたしのせい? あんたが“はいどうぞ”って譲ってくれれば割れることなかったのよ!」


「先に取った方が勝ちだろ! おまえ、自己チューすぎ!」


「なによ! この前あたしからバター取った……」