口を開いたあたしを、男は勝ち誇ったような顔で見る。
ムカついて、あたしは男から顔を背けるとまた口を閉ざした。
男が一方的に雑炊トークを繰り広げるなか開店時間になり、スーパーのシャッターがゆっくりと開かれる。
「じゃーなっ。今日は七味入れてみろよ? うまいぞ」
男は、散々悪態ついたあたしに微笑むとパン売り場へと歩いて行った。
「マジでムカつく、あの男。七味なんて邪道だわ」
2日目の雑炊に七味?
バカじゃないの?
あり得ないし!
あの男、散々語っておきながら2日目の雑炊の極意ってものを分かってないのね。
七味なんて、邪道だわ。
……七味なんて。
……七味なんて!!


