「あの、拾ってくれてありがとうございます。じゃあ・・・」 そう言って、彼女は立ち去って行った。 「あ、うん・・・・・」 彼女が見えなくなって、後悔した。 何で名前すら聞けなかったんだろう、俺・・・・・・・。 この広い学内。 もう出会うことはないかもしれないのに。 その日は練習に全然身が入らず、怒られてばかりだった。