・・・俺は君と出会って、君がどんな事をして俺に復讐するか目に見えて分かった。


家庭を壊して、俺を信頼させ、殺す。

きっとその筋書きだったはずだ。



辛かったんだろう。
今まで。
君は笑顔なのにどこか寂しそうにしていた。


俺はいつの間にか君を本気で笑わせたいと思えた。


でも君が笑えるには俺が死ねばいい。
そう分かったのもすぐだった。


だから君を手伝う事にしたんだ。

優しい君の事だから迷ってくれていたね。
嬉しかったよ。



こんな手紙で上手く伝わったかは分からないけど・・・。


杏奈。
君は幸せになってほしい。

今までの分を取り返してくれ。

生きて、生きて、生きて。
おこがましいけど、俺の分も生きて楽しんでほしい。


愛していた。
杏奈、君を心から。





そして、俺からの最後のお願いを聞いてくれ。

家中のお前の指紋をふき取る事。

タンスの中に俺の遺書を残しておいたからそれを俺の遺体の傍に置いておく事。




頼んだよ。






柳沢祐樹


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