「それでしばらくウルゴイティのペントハウスも離れて、ビジネススクールの近くに移るそうです。 別に男を追ってスクールに入るわけでも、同棲するわけでもないそうです」 「おまえ。 それ、本当に聞いたのか?」 「もちろんです。 彼女と会話するのは中々面白いですよ。 引越し先の住所と電話番号は決まったら教えてもらえるように頼んでおきましたが、あの分じゃ教えてもらえそうもありませんね」 涼はしばし口を閉じた。 「関係ない、から?」 「そうです」 成介の即答に涼は力なく微笑した。