なんだか、いじられて楽しまれた感じがある。 まあ、それで彼が元気になったらしいので、いいが。 追いつくと肩に腕を回され、コンパスの違いから、引きずられて歩いていく。 くすくすと笑いながら、上体をかがめ、相変わらず美人といえる顔を近づけた。 ほどいた長い金髪がさらさらとこぼれ、綺樹の顔をくすぐる。 「真面目な話なんだから、忘れちゃ駄目だよ」 そういって、ユーリーは綺樹とくちびるを合わせた。