何かを話しながら腰に手をあてた。 細いな。 もう少しメリハリがある方が好みなんだが。 でも。 あの髪の毛に触れたこともあるし、あの腰を抱いたこともあるはず。 思いもしない自分の思考方向に赤面しかけて絨毯に視線を落とした。 こんな時に何を考えているんだ。 「失礼しました」 声が上から降ってきて再びソファーに座った。 ふわりと香りの含んだ空気が微かに鼻先をかすめた、 背筋がぞくりとする。 心臓の鼓動が早くなる。 覚えている、この香りは。