「おまえとじいさんは良くここで話をしていたな」
1回目の結婚の時、しばしば二人でここでのんびり過ごした。
涼は家に帰ってこなかったから、時間をもてあましていた。
「孫の嫁としては思うところはあっただろうが、ビジネスに関しては一目置いてくれてたみたいだね。
よく経済や政治などの話をした」
綺樹は羊羹を飲み込んで答えた。
「じいさんに頼まれておまえを探してあげたけど、よもやその後、嫁としてくるとは思わなかっただろうな」
くつくつと笑っている。
「人生、そんなものさ」
涼はあっさりと答えて、自分も羊羹をかじる。
「成介から話があったろ」
綺樹は流れがわからず涼の顔を見た。
「体外受精、代理母出産」
突然、話が本題に入ったらしい。
心構えが出来ていないところに、いきなり来ると、心情が顔に出やすくなる。
「してみるか?」
なぜ相談型の文章なのか。

